世の中には色々なアイドルアニメがある。
例えば、ラブライブ、アイカツ、Re:ステージなど様々なものがある。
最近では、アイドル×ゾンビのゾンビランドサガや、アイドル×SFのゲキドルなど少し奇抜な作品まで出てきている。
そんなたくさんの種類があるアイドルアニメ、どれが一番面白いのか問題。
これは大変難しくデリケートな問題である。
ひとえにアイドルアニメといっても魅力がどこにあるのかは違うし、キャラクターデザインや性格など好みがあるだろう。
だから今回はどれが一番面白いか面白くないかは考えないこととする。
だがしかし、アイドル達が輝くライブシーン、これだけはどれが一番かははっきりといえる。
そう、アイドルマスターである。
もちろんキャラが可愛かったり絵がきれいだったりするのだが、そんなアニメは正直なところ腐るほどある。
またよく言われているのが、CGをほとんど使わずに手描きでダンスシーンを描いているということ(基本的にCGでのダンスシーンは動きが硬くなりがち)、
だがしかし手描きでのダンスシーンというのはクオリティが高いものがある程度数があり、競争が激しい。
例を挙げるとするのならば、ハルヒダンスがその最たるものであろう。
そんな中でもアイドルマスターが一番だと言うのには他を圧倒する魅力があるからである。
そんな訳で今回はアイドルマスターの魅力について、ダンスシーンに絞って紹介させていただこうと思う。
第26話のダンスシーンについて
引用:アイドルマスターより
これは第26話のダンスシーンである。
まず注目してほしいのは手前のキャラの髪の毛の動きである。
ぱっと見た感じでいえることがあるとすれば、ポニーテイルが体の動きの流れに合わせて動いていることであるが、今回注目してほしいのはそこではない。
注目すべきは前髪のうごきである。
4枚目が一番分かりやすいであろう。
画面のレイアウトからして4枚目で着地をしている動作ということが分かる。
その時に髪が少し浮いている。
そして次のカットでは、1枚目と2枚目に比べて、前髪が少し跳ねている。
これは着地して少し浮いていた前髪が、落ちてきて額にあたって少し跳ねたことを描いているだけでなく、次の動作が始まっていることも描いている。
この躍動感こそが、他のアニメとの差を生んでいるのである。
この前髪が少し浮くというのは、一応CGアニメでもないことはない。
だがしかしアイドルマスターとは違い、前髪の柔らかさがない。
大抵の場合はブロックになった前髪が物理エンジンに従った動きをするだけのことである。
また手描きアニメであってもせいぜい出来るのは後ろのポニーテイルを動かす場合がほとんどである。
次から紹介するものこそが絶対にCGアニメにできないことであり、アイドルマスターの異常なところである。
注目してほしいのは手前のキャラの顔である。
2枚目と3枚目で他のコマとは違い大きく顎が伸びている。
もちろんこれは決して作画崩壊ということではない。
これはここの歌っている歌詞に関係する。
ここのカットでは「一度のライブ」という歌詞になっているのだが、発音上では「いーちどーのらいぶ」という風に「い」と「ど」の後に少し伸ばしが入る。
そして二枚目と三枚目のカットではその「ど」の方を描いているのである。
まずはこれが約一秒のカットだということ、この短い時間の中では大抵の場合は口の形を発音まで意識してつくるということは非常に珍しい。
そもそも日本のアニメにおいて、口の形は割と適当でも容認されるものだが、ここまでやるというのは制作陣の意気込みを感じられる。
二つ目、顔を大きく伸ばしていること。
これが突出して素晴らしい。
前述した口の動きを合わせるというのは実は歌っているシーンではやっている場合も多い。
だがしかし、顔の形を変えるということはやっているアニメというのは中々ない。
これは大抵歌っているシーンというのは正面から撮っているものがほとんどだからである。
前から見た場合はキャラの口がよく見える。
だからわざわざ顔を伸ばす必要がないし、伸ばしてしまうとブサイクになるのが際立ってしまう。
そもそも斜めから撮るというのは、手描きでやると正面に比べ立体的にとらえないといけないため、かなり労力がかかる。CGでやれば角度的にブサイクになりやすい。
そんな斜めから撮るカメラアングルをわざわざやることこそが、アイマスの魅力の一つである。
二つ目、顔を大きく伸ばしていること。これが突出して素晴らしい。
前述した口の動きを合わせるというのは実は歌っているシーンではやっている場合も多い。
だがしかし、顔の形を変えるということはやっているアニメというのは中々ない。
これは大抵歌っているシーンというのは正面から撮っているものがほとんどだからである。
前から見た場合はキャラの口がよく見える。
だからわざわざ顔を伸ばす必要がないし、伸ばしてしまうとブサイクになるのが際立ってしまう。
そもそも斜めから撮るというのは、手描きでやると正面に比べ立体的にとらえないといけないため、かなり労力がかかる。
CGでやれば角度的にブサイクになりやすい。
そんな斜めから撮るカメラアングルをわざわざやることこそが、アイマスの魅力の一つである。
そして最後にもう一つ。まずはこちらのハルヒダンスの画像を見ていただきたい。
この一枚とさっきの五枚から、ハルヒダンスとアイマスの決定的な違いがあるのがわかるだろうか。
引用:涼宮ハルヒの憂鬱より
この一枚だけでは分からいづらいので、ぜひハルヒダンスを見てもらいたい。
見つけることができたであろうか。
前述した通り、正面だけのカメラアングルや口の動きなど色々と異なっているところが見受けられたであろう。
しかしそれよりもハルヒダンスを見ていて、何か違和感を覚えなかっただろうか。
そう、ダンスのリズムの全くずれがなく機械的であるのである。
機械的という言い方をしてしまっては、ハルヒに失礼かもしれないが、ここはそう言わざるをえない。
さて、奥のキャラと手前のキャラと見比べてみると、動きの流れに少し差があるのが分かるだろうか。
まずは手前のキャラの流れ説明しよう。
1枚目でジャンプをしようをして、2,3枚目で空中にいる状態となっている。そして4枚目で着地、5枚目で次の動作へと移行している。
次に奥のキャラである。1枚目ではまだひとつ前の動作の最中である。2枚目で着地、3枚目でようやくジャンプの予備動作、4枚目で飛んでいる。
そして5枚目でもその態勢を保っている。
つまりは手前のキャラの2コマ後にそれを追うようにして同じ動きを繰り返している。
こうやって見ると、かなりずれているように感じるかもしれないが、実際は一秒間のカットなのであまり違和は感じないようにはなっている。
最終回?
このアイドルマスター、前述したとおり、この回が最終回であり、視聴者にとっては誰がどんな性格というのが分かる状態になっている。
手前のキャラは天真爛漫で活発な子、奥のキャラはマイペースで天然だけど頼りになる子だという風に今までの回で分かっている。
だから手前のキャラは前ノリで、どんどん突っ走っていくイメージ。
奥のキャラは後ノリでちょっと抜けた性格を表現している。
ここの微妙なずれが他のアニメにはない最大の魅力なのである。
他のアニメでは、アイドル単位でのアニメーションが素晴らしいもの(ハルヒ、血界戦線ed、甲状のカバネリ)、個人の圧倒的なダンス(かぐや様ed、呪術廻戦ed)など様々なものがあったが、ここまでの繊細さはないと断言できる。
ダンス詳細
引用:アイドルマスターより
さて、先ほどの続きのカットである。
はじめに、流れとしての素晴らしさ、次に一カットごとに見た素晴らしさについて述べていく。
このカットの構成を順に見ていくと、下半身、上半身、上半身、下半身、頭上、頭上となっている。
そして1,2カット、3,4カットが映している人物が同じでセットとなっている。
やはり注目する点は、上半身と下半身を交互に移している点であろう。
これによる効果は主に2つあると、私は考える。
一つ目は動きとしての分かりやすさが段違いである。
大抵の場合は上半身を映している場合がほとんどであり、それでも結構動きは分かるのだが、細かい動きは脳で補うこととなる。
この脳で補うという点に関しては変わらないのだが、その情景の鮮明さが格段にはっきりとしたものになると考えられる。
その点においては特に5,6カット目が顕著に表れている。
一見すると不自然に見える5カット目だが、6カット目へのつなぎとして考えると納得がいく。
6カット目は腕を伸ばす動作となっているのだが、伝えたいのは手の動きである。
だから5カット目もそこにフォーカスしてもらえるように頭と手だけを映したと推測できる。
ただ、実際のところはちょっとした手抜きである気がしないでもない。
手抜きと言い方だと少し失礼ではあるが、回転する姿を映すのは二次元であるアニメーションにとって少したいへんである。
だからこのようなアングルになった気がしないでもない。
さて、もう一つの効果はリズム的な心地良さである。
これに関しては後で一カットごとに詳しく紹介するが、上記のカットは四拍子ずつになっており、そこで音楽と映像がリンクすることで視覚によるリズム感というものが、ダンスだけでなく、カットからも感じ取ることができる。
ダンス紹介2
引用:アイドルマスターより
この足のカットでもいろいろと見えてくるものがある。
例えば、スカートの躍動感や、膝小僧の影から分かる膝の曲げ具合などあるが、長くなってしまうので今回は省略させていただく。
ここの素晴らしいところというのは、5,6枚目である。ここのシーンは歌詞でいうと「ライブ進め」という言葉が当てはまる。
1枚目が「ラ」、2枚目が「イ」、3枚目が「ブ」、4枚目にリズム的な空白があり、5枚目で「す」となっている。
(正確には「す」の前半)そして「すめ」は次のカットとなっている。
通常であれば、「ライブ」で切って次のカットに進んだ方が自然ではある。
だがしかしわざわざ「す」まで足のカットにしたのには理由がある。
それは動きの流動性を持たせることではないかと推測できる。
「ライブ」で切ってしまうとそこで一旦動きが止まってしまい、次のカットは完全に別の動きとなる。
だがしかし少しだけ動きをめり込ませることによって、次のカットとのしっかりとした繋がりが生まれ、ダンスとしての分かりやすさと躍動感がより強固なものとなっている。
このような魅力があるアイドルマスターをぜひもう一度見てみたりするのもいいかもしれない。